2017年3月4日土曜日

京の冬の旅「知恩院」

先日に続いて京の冬の旅「知恩院」に出かけた。よく知恩院三門前を通ったり、本堂(御影堂)を参拝したことがあるが、内部の拝観(大方丈、小方丈、方丈庭園など)は初めてだった。今回、三門をくぐり、御影堂は修理中で新玄関より入り、法然上人御堂(集会堂)で参拝し、大方丈、小方丈、方丈庭園を回って拝観した。その後は法然上人の遺骨が安置されているという御廟で参拝、大鐘楼などをみた。
ここ「知恩院」は法然上人を祖師と仰ぐ浄土宗の総本山で、地位が確立したのは、室町時代の後期とされ、また「知恩院」の建物が拡充したのは、徳川時代になってからとのこと。徳川家は古くから浄土宗に帰依しており、家康は生母伝通院(でんつういん)が亡くなると知恩院で弔い、また亡母菩提のため寺域を拡張し、ほぼ現在の境内地にまで広げて今日に至っている。
知恩院には古くから伝わる七不思議(鶯張りの廊下、忘れ傘、白木の棺、抜け雀、大杓、瓜生石、三方正面真向の猫)がある。が、その中で特に不思議だと思うのは、方丈の廊下にある杉戸に描かれた狩野信政筆の猫の絵で、どちらから見ても見る人の方を正面からにらんでいる(中の写真で、クリック・拡大して正面、左右からみると見る方向に目が向いている)。親猫が子猫を愛む姿が見事に表現されており、親が子を思う心、つまりわたしたちをいつでもどこでも見守って下さっている仏様の慈悲をあらわしているとのこと。また、御影堂から集会堂、大方丈、小方丈に至る廊下は、全長550メートルもの長さがあり、歩くと鶯の鳴き声に似た音が出て、静かに歩こうとするほど、音が出るので「忍び返し」ともいわれ、曲者の侵入を知るための警報装置の役割を担っているとされているとのこと。また鶯の鳴き声が「法(ホー)聞けよ(ケキョ)」とも聞こえることから、不思議な仏様の法を聞く思いがするともいわれている。(下の写真の右) また、大方丈入口の廊下の梁に置かれている大きな杓子。大きさは長さ2.5メートル、重さ約30キログラム。このような大杓子はあまりないところから、非常に珍しいもの。伝説によると三好清海入道が、大坂夏の陣のときに大杓子をもって暴れまわったとか、兵士の御飯を「すくい」振る舞ったとか。 「すくう」すべての人々を救いとるといういわれから知恩院に置かれ、阿弥陀様の慈悲の深さをあらわしているとのこと。 今回、「知恩院」が徳川家の菩提寺であること、七不思議があることを知ることが出来た(´∀`)

0 件のコメント: