田舎に用事があり、そのついでに2月14日~3月13日まで開催されている「日野ひなまつり紀行」をみて歩いた。
ここ日野町は蒲生氏の城下町であり、また近江日野商人の故郷でもある。 日野町の大窪から村井にかけて昔ながらの町並が今も残り、どこか懐かしさを感じるそんな街角や商家、商店街に江戸時代から現代にいたるまでのお雛様や創作人形を はじめとする雛飾りが行なわれている。その中には日野独特の風景である桟敷窓ごしなどに江戸時代から現代に至るまでのお雛様や創作人形などが飾られている。日野を代表する商家・正野玄三家(現在:日野まちかど感応館・観光協会)には、代々伝承された江戸時代の御殿びなが公開され、見事な御殿びなに思わずため息がこぼれる。また、近江日野商人館(静岡県御殿場に出店して大成功した日野商人の名家であり、山中兵右衛門の旧宅の資料館)でも立派な雛飾りがみられた。 また、この商人館では典型的な日野商人本宅の特徴を示す建物や館内には初期の行商品や道中具、店頭品をはじめ、家訓などが展示され、日野商人の歴史と商いぶりなどがよくわかる館になっているので、改めて併せて見物した。
雛人形が一般家庭で飾られるようになったのは、高度経済成長期の40年代になってからというが、日野町では古くから雛人形を飾る文化が定着しており、旧商家を中心に江戸時代の雛人形が多いというのは、日野商人が全国的な商いで身につけた経済力や文化・教養等が秀でていたという証だそうだ。今回、はじめて桟敷窓から見えるお雛さまや各家庭に飾られているお雛さんをみて歩いて楽しむことができた。
桟敷窓(上の写真、左上)とは? 800年以上の歴史のある日野祭は御輿や曳山が町内を巡行して豪華絢爛で祭を家の中に居ながらにして見物できる様に仕掛けられた窓。通りに面した家の板塀を四角にくり抜いて、その窓に御簾(みす)を垂らし緋毛氈(ひもうせん)をかけて見物席をつくる。 年に一度の日野祭の為だけに桟敷窓をしつらえた家造りとなっている。
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