2019年9月14日土曜日

谷崎潤一郎記念館

「ヨドコウ迎賓館」を見物した後、芦屋市谷崎潤一郎記念館(1988年、昭和63年開館)を訪れた。
明治19年(1886年)東京日本橋に生まれ、37歳で関東大震災に遭い関西(当初芦屋市)に移住、以来主に阪神間と京都で33年間にわたって生活、70歳で京都の家を売却し関西の生活を終え、熱海にて生活する。79歳(1965年7月30日)で腎不全から心不全を併発して、神奈川県湯河原町の自宅で死亡。執筆作品は、24歳でデビュー作の「刺青」、関西移住して最初の「痴人の愛」や有名な「細雪」「鍵」「瘋癲老人日記」などがある。
随分昔に1~2冊(「鍵」など)を読んだ記憶があるし、「細雪」の芝居を観たりした。が、何か読んでみたいと思い、帰りに関西での最初の『痴人の愛』(1924年出版)を図書館で借りて読んでみた。 この『痴人の愛』は私小説というジャンルに属する小説で、「著者が直接経験した出来事を素材にして書かれた小説」のことを指すもの。
主人公河合譲治はお金にも苦労せず、生活に不満のない平凡なサラリーマン生活を送っていた。そんなある日、譲治は偶然立ち寄ったカフェでナオミ(奈緒美)と出会う。ナオミは当時15歳で譲治は28歳であった……、で始まるこのナオミのモデルは、谷崎潤一郎の最初の妻千代の妹である小林せい子という人物がモデルになっているとのこと。そして、親友の詩人佐藤春夫をも巻き込んでの四角関係の背景があり、1人の男性が女性の美に服従し、隷属して行く過程を描いた小説であった。久しぶりに谷崎潤一郎の力作に触れることが出来た。

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