百田尚樹氏による歴史経済小説の映画化。出光興産創業者の故出光佐三氏のモデルとした主人公・国岡鐡造の一生と、出光興産をモデルにした国岡商店が大企業にまで成長する過程が描かれたもの。
映画のあらすじは、主要燃料が石炭だった当時から、石油の将来性を予感していた若き日の国岡鐡造(岡田准一)は、北九州・門司で石油業に乗り出すが、その前には国内の販売業者、欧米の石油会社(石油メジャー)など、常に様々な壁が立ちふさがり、行く手を阻んだ。しかし、鐡造はどんなに絶望的な状況でも決して諦めず、それまでの常識を覆す奇想天外な発想と、型破りの行動力、何よりも自らの店員(=部下)を大切にするその愛情で、新たな道を切り拓いていった。その鐡造の姿は、1945年(昭和20年)8月15日に戦争が終わったが、さらなる逆風にさらされても変わることはなかった。東京をはじめとした主要都市は徹底的に爆撃されて瓦礫の山となり、海外資産のすべてを失って莫大な賠償金が課せられようとしていた。これから日本はどうなっていくのだろうかと、全員が途方に暮れて失意に包まれているとき、わずかに残った店員を集めて、鐡造は「愚痴をやめよ、愚痴は泣きごとである。亡国の声である」「日本には三千年の歴史がある。戦争に負けたからと言って、大国民の誇りを失ってはならない。すべてを失おうとも、日本人がいるかぎり、この国は必ずや再び立ち上がる日が来る」と訓示を述べた。だが、失望から立ち直り武者震いする店員たちに、売るべき商品「石油」がそもそもないという現実が襲いかかる。「店主、このままでは、国岡商店は潰れます。涙を呑んで人員整理を」という進言に、鐡造は「馘首はならん!」と解雇を断固拒否する。戦後、住処も食糧事情もままならない情勢下で、日本の復興に向かって闘う男たちの物語が始まった。(以下省略)
この映画を見て田岡鐵造の時流を見つめた洞察力、判断力、揺るがない信念と愛情の生きかたに感動した。「店員は家族と同じ」という信念のもと厳しい状況にあっても決して諦めることなく、押し進めたことも立派だったと思う。主役の岡田准一さんが若き時代から最後の96歳までの田岡鐡造を演じたのは立派で、見応えのあるものだった。最後の96歳という年齢のメイクは、顔のシワやシミ、白髪など非常にリアルで、ここまで出来るのかと感心した。
0 件のコメント:
コメントを投稿