2013年8月11日日曜日

映画「少年H」を鑑賞

10日に公開された映画「少年H」を鑑賞。1997年に発表されベストセラーを記録した、妹尾河童の自伝的小説を実写化したヒューマンドラマ。 戦前(1941年春)から戦後までの異国情緒あふれる神戸を舞台に、軍国化や戦争という暗い時代の影をはねつけながら勇気と愛情をもって生き抜いた「名もなき家族」の物語。実際の夫婦(水谷豊と伊藤蘭)が、少年Hの父母を演じる。監督は名匠・降旗康男氏。
あらすじは、昭和初期の神戸の洋服仕立て職人の父・盛夫(水谷豊)とキリスト教徒の母・敏子(伊藤蘭)の間に生まれた肇(吉岡竜輝)は、胸にイニシャル「H」が入ったセーターを着ていることからエッチというあだ名が付いていた。好奇心旺盛で曲がったことが嫌いな肇だったが、オペラ音楽について指南してくれた近所の青年が特別高等警察に逮捕されるなど、第2次世界大戦の開戦を機にその生活は暗い影を帯びていく。やがて、盛夫に対するスパイ容疑、学校で行われる軍事教練、妹の疎開といった出来事に直面し・・・・、やっと終戦を迎えたが空襲で街は焼け野原になってしまい、震災住宅で新たに生活を始め、少年Hは15歳になり独立していくというもの。 
この映画を観て、戦前~戦後の実情が身近なものとして改めて強く感じられた。少年Hの父母(水谷夫婦)を演じた役は、さすがに実夫婦であり仲の良さがシーン一杯出ていて大変よかった。また、少年Hの肇(吉岡竜輝)の正義感の強い演技もなかなかのもの、素晴らしかった。妹の好子(花田優里音)の優しい心の持ち主の演技もよかった。また、昭和初期の街並みのオープンセットも見ごたえがあった。
今年も終戦の15日がもうすぐ、今でも終戦の当日のことは、ほとんど記憶にない。ただ、終戦に近くなる昭和20年の初め頃からのことはおぼろげながら記憶にある。それは、田舎(我が生まれた30数軒の集落)にも街の2軒の親戚から空襲に備えて家具が持ち込まれたこと、空襲に備えて夜の電燈に黒い布をかぶせての生活だったこと、実際に田舎には空襲がなかったが、今思い起こすと3~5月と思うが、空襲警報が鳴り響き、北の方から数機のB29が飛んできて、急いで物陰に隠れた記憶などが数回思い出されことなど。
今年も戦争にまつわる映画「終戦のエンペラー」「風立ちぬ」、そして今回の「少年H」を観たが、いつもどうして、このような馬鹿げた戦争をしたのであろうか? とつくづく・・・・と思う。映画館を出るとなんと平和な日本であろうかとも・・・・・。

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