2010年12月22日水曜日

映画「最後の忠臣蔵」鑑賞

池宮彰一郎の同名小説をテレビドラマ「北の国から」の杉田成道が映像化した時代劇。“忠臣蔵”として有名な赤穂浪士の吉良邸討ち入り事件で生き残っていた男2人の物語を追う。事件前夜に逃亡した瀬尾孫左衛門に役所広司、大石内蔵助(片岡仁左衛門)よりとある命を受けた寺坂吉右衛門役に佐藤浩市。男たちに課せられた宿命を生々しく映し出すものである。
あらすじは、赤穂浪士が吉良邸へ討ち入りした事件から16年。そのなかのひとり吉右衛門は、大石内蔵助より真実を後世に伝え、浪士の遺族を援助するという大役を与えられ生き残っていた。最後の遺族を捜し当て京都に向かったある日、彼は討ち入り前日に逃げた孫左衛門と再会。吉右衛門は、孫左衛門にもある密命が与えられていたことを初めて知る。それは、討ち入りの前日、京都の可留という妾と妊娠している子供(可音)を守ってほしいという命令だった。可留は出産してすぐ亡くなり、赤子の可音を抱いて隠れ家に住み育てる。可音(若手清純派女優17歳の桜庭ななみ)も16才となり人形淨瑠璃を観に行って豪商「茶屋」の息子(山本耕史)と大旦那に見初められ嫁がせる。孫左衛門は死ぬことを許されず、ようやく内蔵助の命令、可留との約束を果たし、可音が嫁いだ日に位牌の前で使命を果たしたことを報告し、割腹して果てる。
この「最後の忠臣蔵」を観て、自分の役目を成し遂げるのに16年の歳月をかけ、大抵の人が求める金欲や性欲、楽しみや幸せは無縁のところに自分を置き、ただ大石内蔵助の命令を遂行するためだけに身分を隠し、ほそぼそと粛々と役目を果たす姿は志高く、意思が強く、忠誠心に満ちているものだった。歳のせいではないが、この生き方に感動し、つい泣けてしまった。佐藤浩一と役所公司の演技も素晴らしいものだった。また、可音を演じた若手清純派女優桜庭ななみもよかった。

0 件のコメント: