2010年6月に地球に戻り、日本中を沸かせた小惑星探査機「はやぶさ」の偉業が、昨年秋から今年にかけて、まず最初は20世紀フォックス、次に東映、松竹の順に映画化され、同じ題材で3作が相次いで公開されるのは極めて異例のことだそうだ。まず、1本目は20世紀フォックスの「はやぶさ/HAYABUSA」で10月1日公開された。監督は堤幸彦氏、竹内結子が女性研究生役で主演、西田敏行が上司で、はやぶさ計画を統括した川口淳一郎教授を佐野史郎がそっくりに演じている。派手な演出を加えず「完全なコピー」を目指したもの。2本目が 東映が60周年を記念して「はやぶさ 遥(はる)かなる帰還」で2月11日に公開されている。監督は瀧本智行氏で、リーダーとは何かを問うもので、渡辺謙が川口教授役。東映得意の男臭さが魅力の映画になっている。夏川結衣が朝日新聞科学部の記者を演じている。 しんがりは松竹の「おかえり、はやぶさ」で3月11日に公開される予定。監督は本木克英氏、3D映像が売りもので、藤原竜也が新人エンジニア役で主演する。藤原には科学者の父(三浦友和)がいて、松竹お家芸の家族の絆を描く映画になっているらしい。川口教授役は大杉漣(れん)。 最初の1本目と今回2本目を鑑賞したが、監督や出演者などを変えても、はやぶさが困難を乗り越えて帰還する筋書きに違いはない。が、主演者の演技や何を訴えて描くかが違っているので、それなりに楽しめた。
小惑星探査を目的に十数年をかけて開発された「はやぶさ」が、「ITOKAWA」(イトカワ)と名付けた小惑星まで約3億キロの距離をイオンエンジンを使って飛行を行い、自律的に小惑星に近づき、その表面から物質のサンプルを持ち帰ることの技術(サンプル・リターン)が確立されたことは宇宙開発にとって極めて大きなこと。 2003(平成15)年5月9日に打ち上げられ、目標の「ITOKAWA」に到着し科学観測を実施、2005年12月に通信途絶、2009年11月についに最後のエンジンが停止するなど危機的な状態を克服し、2010年6月13日に地球へ帰還し、搭載カプセルをオーストラリアへ落下させたことはすごいことだなあ~と改めて強く感じた。
今年1月宇宙開発員会で、危ぶまれていた火星と木星の間にある小惑星を探査する「はやぶさ2」の打ち上げが2014~15年に決定したそうだ。
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