2016年1月18日月曜日

追悼「山崎豊子展」

高島屋京都店にて、追悼「山崎豊子展」が開催されているのでみに行った。大阪店でも20日から開催される。
これは2015年9月29日に3回忌を迎えたことを機に、各作品から溢れ出る昭和という激動の時代を振り返りながら、時代と対峙し続けた故山崎豊子氏の軌跡を紹介するもの。
「不毛地帯」「白い巨塔」「沈まぬ太陽」など、本やドラマ・映画などを通し、世代を超えて多くの反響を呼ぶ作品を書き続けた作家故山崎豊子氏。その社会性の強いテーマや複雑に絡み合う人間模様は、徹底した取材から生まれたものであるという。 
1924年 大阪・船場の昆布の老舗「小倉屋山本」で生まれ、京都女子高等専門学校(現在の京都女子大学)卒業後、新聞記者として事実を追い続ける取材への姿勢、世間や人間の本質を捉える観察眼を養い、上司であった作家 井上靖氏の背中を見つめて、執筆の道に。生涯書き続けた数々の作品には、故郷であり今はなき大阪・船場の風俗や戦争の悲劇を伝えたいという思いが、込められている。また、高度成長期に渦巻く社会の不条理を世に問わねば、という強い使命感も。そうして生まれた各小説の登場人物には、想像を超えた人間ドラマが生まれ、読者の心を揺さぶったものだった。
本展では、作家としての原点から遺作となった作品まで、個々の物語に潜むテーマを取材内容や創作秘話、膨大な資料や映像をもとに、その魅力が紹介されていた。 また、着られていた原色柄の服、帽子、手袋、バッグなども展示されていたし、最後まで執筆に打ち込んでいた机や椅子、書棚など書斎が再現されていた。今回改めて過去にみたドラマ・映画「白い巨塔」「沈まぬ太陽」「華麗なる一族」などを思い浮かべながら、その人間故山崎豊子氏の偉大さを思い知らされた。デビュー作の「暖簾」、直木賞を受賞した「花のれん」もDVDでみてみたい。

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