2009年7月3日金曜日

山中伸弥氏の講演会へ

大阪国際会議場において、㈱アクティブライフ(大阪ガスグループ)創立20周年記念講演会があり、京都大学iPS細胞研究所センター センター長山中伸弥教授から「iPS細胞の今後の展望」と題しての講演があった。1000名近い参加者だった。世界で初めて成功した皮膚細胞からiPS細胞を作り出すまでの道のりについて、ジョークを混ぜながら詳しく説明をされ大変よく分かった。特に皮膚細胞(体細胞)に24個の遺伝子をどのように組み合わせて作り出すか研究生と一緒に試行錯誤を繰り返し、結果的に4個で作り出すことに成功したことの話が印象に強く残った。課題は山積(がん化等)しているが、世界中ではすごい勢いで研究が進んでいる。特に、アメリカではオバマ大統領になってから、日本の10倍の予算(金額)を投じて進められているとのこと。
本日の朝日新聞に、治療対象の病気(心筋梗塞、やけど、脊髄損傷、糖尿病、肝不全等)に対する作製する細胞の動物治療研究から臨床研究への開始時期など具体的な目標を掲げた研究ロードマップ(工程表)が文部科学省から発表されていた。このロードマップの目標をみると、この10年先頃にはこれらの病気も大分克服されるようで、今後の研究の進歩に大いに期待したい。(写真は講演前の会場風景) 
【iPS細胞】:さまざまな細胞や組織に分化する能力を持つ多能性幹細胞。体細胞に3~4個の遺伝子を導入して作りかえる。山中教授らが皮膚細胞から作製することに世界で初めて成功した。 傷ついたり病気になったりした細胞を作り直す再生医療の実現に近づくと期待されている。

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