2008年12月21日日曜日

「私は貝になりたい」を鑑賞

「私は貝になりたい」の映画が11月21日から公開されて、すぐ観たいと思っていたが時間が取れず、本日となってしまった。
中居正弘、仲間由紀恵主演の「私は貝になりたい」は戦争に巻き込まれた加藤哲太郎と言う人の悲劇の物語だ。清水豊松(中居)は高知の漁港で理髪店を営む。丁稚奉公で理髪店でやっと働き始め、免許を取った矢先に同僚の房江と知り合い、今で言うできちゃった婚をする。この時代では、実家に住むことも許されず、理髪店の店主からもつまみだされる。おなかの子健一と3人で、高知の町でひっそりと理髪店を開き仲睦まじく暮らしていた。やっと仕事も順調でこれから…というときに届いたのが赤紙。本土防衛のために配属された中部軍の部隊で、虫けらや牛や馬のような扱いを受ける。そして、任務として命じられた捕虜の始末を豊松にはとうていできないが仕方なく行う。が、銃剣は捕虜の右腕のかすかにかすっただけだった。後に、その捕虜が自然に亡くなったことを知ることになる。戦地から帰り、またもとの暮らしにもどり、房江のお腹の中の子が生まれるのを心待ちにしていた豊松、そこにまた戦犯を犯したとして東京の巣鴨の収容所に連れて行かれる。そこでは、同じ捕虜となった鶴瓶とのやりとりなど微笑ましい場面もあるのだが・・・。 1年もかかってロケをされたように、房江(仲間由紀恵)が豊松のために署名をもらいに行った雪の場面など本当に寒くて雪深くて大変だったと思う。やっと署名も集まり、刑が軽くなったと思った豊松の運命は・・・それは変わらぬ死刑だった。つまらない人生だった・・・。人を殺すような悪いことはしていない・・・。命令されればそれに背くことはできない世の中・・・。虫けらや馬や牛同然の扱い。今度生まれ変わるなら、そうだ!海の底に人知れず静かに住んでいる貝になりたい・・・。「私は貝になりたい」だった。 
あの第二次大戦の始まる10カ月前に生まれ、大戦中は幼少であまり記憶はないが、終戦間際に田舎にもB29が飛んできて、物陰に隠れたり電燈に黒い布をかぶせたりした記憶や終戦後の大変な時代が思い出された。 それに比べると今は何と平和な時代に生きているのだろうかと幸せに感じた。
それにしても、高知だろうか山陰だろうか海岸の景色がとってもすばらしく、ここが日本かと思うほどだった。 調べたら島根県隠岐の雄大な名勝「国賀海岸」(西ノ島町)であった。ぜひ一度行ってみたいものだ。

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